健康のため身体について知ろう (専門家ではない人向け)

一般の方むけの身体についての知識です。少しでもご自身で健康管理ができるように

呼吸の重要性(呼吸と身体コントロール)

「呼吸」はどういうイメージでしょうか?

単純に、「酸素を取り入れる」だけではなさそうです。

 

まず、呼吸の主な動力は「横隔膜」になります。

ちょうど横隔膜の周囲についている、

脊柱と大腿骨をつなぐ「大腰筋」

脊柱と骨盤をつなぐ「腰方形筋」

 

そして、肋骨間についている「肋間筋」

 

さらに、横隔膜が働くのと共同して

体幹の「インナーユニット」と呼ばれる

骨盤底筋

腹横筋

多裂筋

 が働きます。

 

つまり呼吸をするということは、体幹周囲

そして体幹−下肢、体幹−骨盤へのつながりにも影響を与えています。

 

ということは、

「ゆっくり、ふかく、自由に」呼吸できない状態であれば、

身体のバランスがガタガタ、体幹と下肢・骨盤との連動もガタガタとなってしまいます。

それは、足の長さの違いや、脊柱の彎曲・側弯・肩こりなどの様々な症状として表出してきます。

 

まずしっかり呼吸ができるということは、身体をコントロールする上での基本的なことになります。

脂肪は悪者か?

よく、なるべく脂肪はとらないように、油を使う料理をさけたりするということを聞きます。

脂肪=体脂肪と連想しやすいのかもしれません。

ですが、脂肪を摂取したからといって、=体脂肪とななりません。

どちらかというと、糖質(炭水化物の中にも含まれます)を摂取した結果、脂肪となって体内に保存するという作用の方が大きいです。

では、脂肪は悪者なのでしょうか?

以前も少しお話ししましたが、脂肪には色々な種類があります。

まずは、大まかに「脂肪」として考えてみましょう。

 

効果1:皮膚の乾燥予防

 脂肪は細胞膜を作るので、皮膚の水分保持能力に関係します。また、皮膚や粘膜の健康維持に重要なビタミンA・βカロテンは「脂溶性」なので、脂肪を一緒に摂ることで吸収率を高めることができます。

 

効果2:便秘解消

 脂肪のなかでも、特に「オレイン酸」は便を柔らかくし、排便を促す作用があります。小腸で吸収されなかった脂肪酸が、大腸まで行き、腸粘膜を刺激し、排便を促すためだと考えられています。

 

効果:3:骨粗鬆症の予防

 カルシウムの吸収を促進するビタミンDは脂溶性なので、脂肪を同時に摂るとビタミンDの吸収率up→カルシウムの吸収率upとなります。

 また、体内で合成されるビタミンDも、コレステロールが原料とされるので、ビタミンDの体内生成のためにも必要になります。

 

他にも、色々な効果(空腹感の軽減・脳出血予防・記憶量低下予防)などが言われていますが、私自身がまだ納得していないので、記載は割愛させていただきました。

人工甘味料について

カロリーに低い人工甘味料は、「糖質」ではありません。

ですので、摂取しても、インスリンの作用(筋肉へのアミノ酸の取り込み促進・金タンパク質合成のシグナル促進)は期待できません。が、インスリンの過剰分泌が促されないので、いいと言われています。

 ということは、人工甘味料はいくらとっても太らない!ということでしょうか?しかし、人工甘味料の消費が増えても、糖類使用飲料の消費も、肥満者の割合も減っていないどころか、増え続けているとのことです・・・???

 

 近年の研究で、砂糖と人工甘味料、味は甘いが、脳のMRIでみると、砂糖摂取で活性化する「報酬系」のエリアを人工甘味料は活性化させていないということです。そのため、人工甘味料をとっても、結局砂糖を欲するということらしいです。

 別の実験では、人工甘味料も舌の受容体に反応し甘みを与える(舌と消化管と膵臓は受容体が同一)ので、結局インスリンを分泌している。という可能性も考えられるとのことです。

 

 結局、人工甘味料についてはよくわかっていないのが現状のようです。わかっていることは、人工甘味料の技術が進んでも、肥満や糖類使用飲料の消費は減っていないということですね・・・

腸内細菌

よく「腸内細菌正常化」などといいますが、なんのことでしょうか?

なんとなく、「ビフィズス菌」とかの話かな〜とは思うと思います。

 

 小腸で吸収されない10〜30%の炭水化物・タンパク質は、大腸の腸内細菌により消化吸収(発酵)されます。その発酵による代謝産物が数々の有益な生理作用を持ち、体内の恒常性維持に重要な役割をになっています。

 また、腸内細菌はビタミンをつくっており、特にビタミンKは、腸内細菌による合成量が必要量の大部分を満たしています。

 

 有名な「免疫機能」についても、無菌状態と比較すると、ストレス耐用性も高いという研究結果が出ているようです。

旬なもの

日本には四季があり、それぞれに「旬の食べ物」があります。

春には、タケノコ・キャベツ・玉ねぎ

夏には、きゅうり・トマト・スイカ・鮎

秋には、ナス・さつまいも・さんま

冬には、人参・大根・ほうれん草・りんご・ぶり

 などなど・・・いろいろあります。

最近は、栽培技術や養殖技術が上がったので、いつでもつくれるようになりました。

そのため、スーパーでは季節を問わず、代表的な野菜・魚は売っているので、いつでも買うことができます。最近はぶりも1年中売っていますね。

 

旬の食べ物は、「伝統的」というだけでなく、食べるだけの価値があります。

 

まずは、

「おいしい」!!

これは重要です。大根なんかは、寒さの中で糖分をまし、甘味をましたり、ぶりは冬になると脂がのっておいしくなります。肉類も同様に、秋から冬にかけてがおいしい時期と言われています。

 

そして重要なのが、

「栄養価が高くなる」!!

同じ野菜でも栄養価が全然違ってきます。ほうれん草では、夏と冬とでは3倍もビタミンC量が変わってきます。

 

そして、

「その時期に必要となる栄養素を含んでいる」!!

夏の食材では、身体の熱やむくみを取り除くカリウムが豊富に入っていたり、冬の野菜は身体を温める機能があります。

 

*旬のものは「安い」ということもあるので、積極的に選んでいくようにしましょう

ギプス固定中は動かしましょう

骨折をして、ギプス固定中。

「動かしてはいけなそう」ということで動かさない人が結構います。

 

実は、動く範囲でしっかりと動かす必要があります。

*動いて欲しくないところは、ギプスで動かないように固定しています。

 

骨折後、問題になるのは、骨の修復より、圧倒的に「拘縮」が多いです。

拘縮というのは、動いて欲しい範囲が動いてくれないことです。

 

骨折が生じると、修復のための炎症反応により、動脈血が増加するため、静脈血がうっ血しやすくなります。すると、血液の血漿成分が血管外に漏出し、「浮腫」となります。

そのため、リンパ血漿を血管に戻すことが重要になります。

 

また、浮腫による末梢循環障害は「骨萎縮」も生じさせてしまいます。

 

浮腫、骨萎縮を予防するために、固定期間中、しっかりと動かしましょう。

 

*ギプスは、指先など動かしやすいように親切に切ってくれています。

栄養摂取=食べたものではなく、吸収できたもの

いままで、「食べるもの」や「食べ方」のお話をしました。

しかし、食べたものがすべて吸収されるわけではありません。

もちろん「食べるもの」や「食べ方」は大事です。

ですが、しっかりと「吸収する」ことも重要です。

 

消化機能には「自律神経」が関与しています。

自律神経の「副交感神経」が優位になると、吸収効率が高まります。

なんとなくイメージで

交感神経 =興奮している状態

副交感神経=リラックスしている状態

 というのはあると思います。

 

つまり、

「食事をする時は、心地よくする必要がある」ということです。