肩の夜間痛(原因2)
先日に引き続き
肩の夜間痛の原因として、「肩峰下の圧向上」も挙げられます。
肩峰とは、肩甲骨の一番外側、つまり肩を触った時に一番外に出ているところです。
肩峰下は、その下の上腕骨との間の部分です。
寝ている姿勢だと、その部分が伸ばされてしまって、痛みが出ることが多いようです。
原因としては、「仰向け」だと肩甲骨が固定されてしまうから。
つまり、上腕骨に対して肩甲骨の位置をズラして痛みから逃げることができないからのようです。
対応策は、横向きになって、抱き枕をして寝ると肩甲骨がフリーになるので痛みが出ないのではないでしょうか?
*抱き枕は低いとダメです。ご自分の体の高さくらいのもので。
あと、肩関節は前方組織が脆弱になっており、圧迫に弱いです。
仰向けで寝る場合も、腕~肘のしたにまくらを入れ、
肩が前へ出ないようにしましょう。
*枕を使って肘を上げる(前へ出す)とその反対に肩は下に下がります
肩の夜間痛(原因1)
五十肩の人で
「痛くて眠れない」という話をよく聞きます。
その原因の1つが、「上腕骨内圧の上昇」といわれています。
上腕骨の内圧??
骨は、骨内へ栄養孔という孔を通し、動脈血を入れ、静脈血を出しています。
圧があがるということは、骨内から骨外へ静脈血を出せていないということです。
上腕骨頭の栄養は、「前・後上腕回旋動脈」と言われる肩関節のすぐそばの動脈により栄養されています。ちょうどその周囲に、前回お話をした「回旋腱板」と言われる筋肉が覆っているので、筋肉の硬さ、痙攣により血管が圧迫されると、上腕骨頭内に血流が滞留してしまい、圧の上昇 → 夜間痛の発生 となってしまいます。
解決方法としては、
なるべく力を入れない
「具体的には、肘のせに腕を置く(腕は垂れているだけで重さがかかっている)」
「軽く捻るような動作を行う」
などでしょうか
膝に水が溜まった(滑液包炎)
これもよく聞きますね
「膝に水が溜まった」
「抜いたほうがいいの?抜かないほうがいいの?」
膝周囲には「滑液包」と言われる水が溜まる空間が数カ所あります。
骨と腱(筋肉)の間にあり、クッションのような役割をしていると言われています。
通常、負荷が大きくなると、炎症が生じ、滑液が増えます。
しかし、何も負担をかけなければ、自然と吸収されます。
では、自然と吸収される人、されない人はどういう違いがあるのでしょうか?
1:単純に負担がかかり続けている
2:滑液を排出される機構が機能低下している
ということです。
まぁとりあえずできるだけ負担を減らすことですかね
不安定肩
「肩の亜脱臼」身近になったことがある人がいるかと思います。
肩関節はかなり可動域が大きい関節なので、「動き過ぎてしまう弊害」もあります。
特に、上腕骨が肩甲骨に「懸垂」される状態と「支持」される状態があるので、その切り替え時に亜脱臼しやすいと言われています。
どこの関節の軟部組織と同様、肩関節の靭帯(関節包)にもズレを感知する機能がありますが、捻って痛めてと繰り返してしまうと、機能低下を生じてしまいます。その結果、懸垂→支持とスムーズな切り替えができず、不安定な肩となってしまいます。
足首と同様「捻挫は癖」となるといいますが、確かに繰り返します。
しっかり筋の反応を高めるために、感知する機能を高めていきましょう
股関節が痛い!!(FAI)
股関節の痛みは、かなり多くの人が持っています。
私のクライアントさんにも多くあり、特に女性が多い印象です。
股関節は人体のなかでもかなり重要な関節です。
というのも、頭部〜脊柱と中心が1本の軸であったのに対し、骨盤を介してそこから2本へと変化するからです。
負担が分散されるのは良いのですが、軸がずれるのと、左右差が生じるのは大きな問題です。
このFAIとは大腿骨と骨盤の衝突・挟み込み症状です。
昔からある症状だと思うのですが、名前がついたのはここ何年かだった記憶があります。
一応、骨の問題(大腿骨側・臼蓋側)で分類されるのですが、骨的な問題がなくても痛みが生じる人はたくさんいます。
ざっくばらんにいうと、関節が詰まってしまった生じます。
前述したように、股関節は軸が分かれるところでずれやすいので、どうしても筋性の負荷が強くなりやすいです。
そのため、筋が過緊張し、滑走不全を起こしてFAIという人はたくさんいます。
挟み込みをしょうじさせないためには、大腿骨頭が関節に適合されればいいわけです。
そのためには、股関節をしっかり曲げる必要があります。
寝ている状態だと膝を抱えたり、子供のポーズをとったり
立っている状態だと、スクワットしたりと
試してみてください
手が挙がらない(肩甲上神経麻痺)
肩関節周囲炎や、腱板損傷のように、筋や炎症による「肩が挙がらない」ではなく、神経の問題で肩が挙がらない症状があります。その代表が「肩甲上神経麻痺」です。
肩甲上神経は、以前お話しした「棘上筋・棘下筋」を支配する筋肉です。
肩甲上神経は、「肩甲切痕」「棘窩切痕」というトンネルをくぐり、おおきくカーブするので、どうしても圧迫しやすい神経です。
腕をあげるどうあやねじる動作で捻られやすいので要注意です。
手がしびれる〜(胸郭出口症候群)
「胸郭出口症候群」
馴染みある人にはよくわかり、馴染みがない人には全くわからない疾患です。
座骨神経痛のような末梢神経の絞扼症状です。
脊髄神経から分かれた細い神経が圧迫され、痺れが生じる疾患ですね。
神経が絞扼されるとしびれるのは、正座後に足が痺れるのと同じ現象です。
原因となる神経(腕神経叢)は、狭い3つのトンネル(斜角筋隙、肋鎖間、小胸筋下)を通るのですが、そのいずれかでの絞扼が見られます。
末梢神経が絞扼されると、感覚障害(痺れを含む)や運動障害が生じますが、胸郭出口症候群では、近くを走る血管を支配する交感神経が圧迫を受けることがある。すると、末梢血管の拡張不全(交感神経の興奮が伝わらないため)が生じ、冷感や浮腫が生じる。
姿勢の影響が大きいのですが、肩周囲の過緊張が大きな問題となるので、まずは緊張を抜くことが重要です。できるだけ楽な姿勢をさがし、その位置でいるようにしましょう。